日本に存在するアスベスト鉱山と地域について
- Goro Kosaka

- 9月16日
- 読了時間: 4分

夏休みが終わりを迎え、いつもの通勤時間に人が戻ってきているのを実感しているのではないでしょうか。今回は少し夏休みを振り返りながら、本題に入っていきたいと思います。
この写真は秩父鉄道の終着駅三峰口にある転車台とSLになります。実はこの写真、特に意味もなく観光で撮影したものだったのですが、今回の内容と少し関係があったので冒頭に掲載しました。内容的にいつも文字が多くなるため、少しでも図やイメージを添えたいとは常々思っているんです…。
さて、前置きが長くなりましたが今回は、「アスベストの歴史、日本に存在するアスベスト鉱山と地域」をテーマに、かつてのアスベストの歴史や国内におけるアスベストの沿革について見ていきたいと思います。
アスベストの歴史は約2,000年前まで遡る
加工しやすく安価なうえに、丈夫で燃えない性質から「奇跡の鉱物」とまで呼ばれていたアスベスト。余談ですが「竹取物語」でかぐや姫が貴族に要求した「焼いても燃えない布(火鼠のかわごろも)はその特性からアスベスト布であったのではないかと考えられています。
3000種を超える建材や工業製品などに使用されていたアスベストですが、実は古代からすでに利用されていたことをご存じでしたでしょうか。約2000年前の現在のイタリア地域では、火葬の際の灰の保存や寺院の灯火の芯としてすでにアスベストが使用されていたといいます。
日本国内では平賀源内が秩父山中で発見したのが始まり
日本国内では1764年頃 (明和元年) 、平賀源内が秩父山中 (中津川上流) でアスベストを発見。この発見をきっかけに火で洗える布「火浣布」の製作に成功し、日本でのアスベスト利用の歴史が始まったとされています。 (この秩父山中という言葉で冒頭の写真を思い出しました)
その後、明治初期の1870年頃には、医師である黒田玄鶴が「新潟県南魚沼郡金城山付近」でアスベストを採掘し石綿布を医療用に使用、さらに「長崎県野母半島」や「熊本県下益城郡」でもアスベストの採掘が行われました。
その後は、外国産アスベストの輸入増加により国内採掘は一時的に中止。その後「北海道山部地方」で採掘が再開されるまでの間、国内では主にカナダ産と南アフリカ連邦産のアスベストを利用していました。
国内のアスベスト鉱床は北海道~九州まで広がっている
日本国内のアスベスト鉱床は、北海道中央脊梁山脈の西部や北上山地、阿武隈山地、秩父山地、中央構造線沿い(糸魚川〜静岡)、さらには四国中央山脈から九州まで広がっています。
特に国内で生産量が多い地域は、北海道中軸部・神居古潭帯の富良野市の布部、野沢および山部の鉱山で、1984年までには約32万トンのアスベストが生産されていました。
戦後は国内でも一部の石綿鉱山が稼働していましたが、徐々に閉鎖されていき、現在では採掘はされていません。
まとめ
こうしたアスベストの採掘と利用の歴史は、国内産業の発展とも結びついています。しかし、アスベストの健康被害が明らかになり、昭和50年 (1975年) には、5重量%を超える石綿の吹き付けが原則禁止され、それ以降段階的にアスベスト規制が強くなり、平成7年 (1995年) に1重量%、そして2006年にはアスベストの原則流通禁止 (0.1重量%) となります。
その後も、アスベスト問題は度々ニュースの誌面に出る社会問題となり、現在もアスベスト規制の改正が進められています。近年の改正では2023年 (令和5年) 10月1日以降は、有資格者によるアスベスト事前調査・分析が義務化され、無資格者による調査や分析は法令違反となりました。アスベスト規制は年々厳格化され、引き続き高度な管理や対応が求められるようになっています。
どこか昔のことと思われがちなアスベスト。その産出地が、日本各地に点在していたというのは今となってはあまり知られていませんので、もしかしたら驚かれた方もいるかもしれません。
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参考文献:
環境省HP「資料2-2 アスベスト鉱山の状況について」https://www.env.go.jp/air/asbestos/commi_hefc/02/mat02_2-1.pdf
環境省HP「石綿飛散防止の現状と課題について」
榊原正幸, 上原誠一郎. (2006).アスベストとは何か?.岩石鉱物科学 35, 3-10
大田区HP「アスベストとは」(2025年9月9日閲覧).
建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル
令和3年3月(令和6年2月改正)(令和7年3月訂正事項を反映)「表2.1.1 石綿関係法規の変遷」



