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アスベストの大きさはどのくらい?花粉や髪の毛と徹底比較!

  • 執筆者の写真: Goro Kosaka
    Goro Kosaka
  • 4 日前
  • 読了時間: 5分

くしゃみと鼻水に悩まされた日々がようやく終わりを告げました。

今の時期は花粉症の私にとって、まさに束の間の休息です!


空気中に漂っている花粉は目で見えませんが、

アスベスト繊維がどれくらい小さいか考えたことはありますか?


アスベストは花粉よりもはるかに小さく、非常に微細な物質です。

本記事では、アスベスト繊維のサイズに注目し、そのサイズ感や人体への影響についてわかりやすく解説いたします。



アスベストは髪の毛や花粉よりもはるかに小さい


1本のアスベスト繊維は非常に微細で、たとえばクリソタイルは直径0.02μmまで細くなるものまであります。0.02μmというのはつまり20ナノメートル、1mm の 1/50000 というサイズです。花粉が30μmですから、もうイメージできない世界ですよね。


アスベストの単繊維0.02μmと小さな粉じん1μmと花粉30μmの大きさを比較した図
提供:NPO法人東京労働安全衛生センター 外山 尚紀氏

数値だけでは具体的なイメージが湧きにくいと思いますので、以下のような身近な物質と大まかなサイズを比較してみました。


  • 食塩:150μm前後

  • ヒトの髪の毛:40~100μm

  • 肉眼で見えるサイズ:100μm以上

  • 小麦粉:30~150μm

  • きな粉:30~50μm

  • 花粉:20~35μm

  • PM2.5(微小粒子状物質):2.5μm以下

  • コロナウイルス:0.1μm (100nm)

  • クリソタイル(単繊維)の太さ:0.02 μm (20nm)

  • DNAの太さ:0.002 μm (2 nm)


アスベスト繊維の太さは髪の毛の約5000分の1、花粉の約1500分の1ほどの細さです。繊維が微細なため、単一細胞を肉眼で見ることはできません。また、コロナウイルスは人の細胞よりも小さいことで知られていますが、アスベスト繊維のサイズはそれをさらに下回ります。ちなみに一般的な不織布マスクの隙間は5μmなので、アスベスト対策としての効果は期待できませんね。


サイズ感がなんとなく掴めたところで、吸い込まれた粒子が沈着する場所の図も合わせて見ると、よりイメージが湧きやすくなるかと思います。クリソタイルの太さ0.02 μm (20nm)は、肺胞に沈着する割合のほぼピーク部分に該当しています。


ナノサイズの粒子が取り除かれる場所を表した図とグラフ
図:吸い込まれた粒子が沈着する場所

引用:2006.微小粒子の健康影響 アレルギーと循環機能 環境儀,22,9.



アスベストは微小がゆえに人が吸引しやすい


アスベストは岩石としてして産出しますが、繊維状に裂ける特徴を持っています。工事などで飛散するアスベストの繊維は極めて小さいため、一度空気中に放出されると長期間にわたり浮遊し続ける特性があります。そのため、人が吸引してしまう可能性が上がります。


また、人間にはホコリなどは喉でブロックされるようになっているのですが、アスベストはその微細さゆえに、吸い込んだ繊維は肺の奥深くまで到達してしまいます。また、クロシドライトやアモサイトと呼ばれるアスベストは、鋭利で針のような形状をしており、肺細胞に刺さりやすいという特性も。それに加えて、アスベストは体内で発生する酸に溶けないため、体内の排出機能が効かず、長期間にわたり体内に留まり組織を攻撃し続けてしまいます。


一度肺に入ったら出てこない。肺の中で針がずっと肺の壁を突き続けている、と考えると発症が遅い理由も規制が強い理由もわかりますね。


弊社の社内向け研修の際に使用している動画がとてもイメージしやすいので下記に掲載しておきます。(生々しいですが…)


吸い込んだアスベスト繊維が肺細胞に刺さり組織を攻撃し続ける様子

引用元:[Asbestos | WorkSafeBC](WorkSafeBC)



アスベストは製品によっても飛散のしやすさが異なりますが、綿状の性質を持つ「吹付け石綿」や「石綿保温材」などは、飛散しやすい代表的なアスベスト製品です。また、アスベスト含有製品には経年や環境によって劣化しやすいものや、飛散リスクが高まるものがあります。例えば、セメントとアスベストを混合して作られた「波形スレート」は時間の経過とともにセメント部分が劣化し、表面を観察すると繊維状のアスベストが飛び出しているものも見かけます。



既存アスベストの危険性と専門的な検査の重要性


過去に建築物や配管、工場設備などで使用されてきたアスベスト含有製品は、現在も廃棄されずに残っているものがあります。これら「既存アスベスト」は、経年劣化や使用中の破損・摩耗によって飛散リスクも高まっているものもあるため、このようなアスベスト飛散をおこさないため、改修や解体作業の際はもちろんのこと、適切な管理を行うためにも、エキスパートによる専門的な検査が必要になるのです。



まとめ


いかがでしたでしょうか。アスベストの微細な性質やリスクについて、改めてご理解いただけたのではないでしょうか。


EFAはアスベスト分野のエキスパートとして、「スピード」と「揺るぎない精度」を兼ね備えたサービスを提供しています。また、どう対応していいかわからないというお客様にたいして、目的に合わせた調査仕様と状況を把握できるレポート、そしてアフターフォローによって、お客様に安心と信頼をお届けします。


他社にはないEFAの強みをぜひご体感ください。アスベストに関するご相談や分析サービスについては、いつでもお気軽にお問い合わせくださいませ。


TEL:03-3263-6055


参考文献:

独立行政法人環境再生保全機構ホームページ「アスベスト(石綿)とは?」https://www.erca.go.jp/asbestos/what/higai/mechanism.html

 

アスベストセンター「石綿(アスベスト)Q&A」

 

京都グレインシステム株式会社 Webサイト「微粉砕加工の粒度について」


国立健康危機管理研究機構、感染症情報提供サイト「コロナウイルス感染症」

 

九州大学. (2014年12月8日). 九州大学プレスリリース:2014年12月8日.


環境省ホームページ「微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報」

 

Yada, K. (1971). Study of microstructure of chrysotile asbestos by high-resolution electron microscopy. Acta Crystallographica Section A, 27, 659-664.


2006.微小粒子の健康影響 アレルギーと循環機能 環境儀,22,9.


[Asbestos | WorkSafeBC](WorkSafeBC)

 
 
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