top of page

アスベスト (石綿) とたばこ喫煙が相乗的に跳ね上げる肺がん発症リスク

  • 執筆者の写真: Goro Kosaka
    Goro Kosaka
  • 2025年12月17日
  • 読了時間: 4分

アスベストと喫煙の危険な関係を図で説明。基準リスクと1として、アスベストのみ5倍、喫煙のみ10倍、アスベストと喫煙を合わせると50倍の結果になる

本記事は、アスベスト (石綿 以下アスベスト) とたばこ喫煙が相乗的に跳ね上げる肺がんの発症リスクについて記載いたします。肺がんは、日本におけるがん死亡数の中で最も多い疾患の一つですが、定期検診で早期に発見できれば、治療によって助かる可能性が十分にあると考えられております。作業現場でアスベストに関わることが多いEFAラボラトリーズのお客様に、日々の業務の中で「肺を守る」も忘れずに意識していただきたく、11月17日に制定されている肺がん撲滅デーと絡めてこの記事を作成しました。



肺がん撲滅デーとは?


「肺がん撲滅デー」は2000年、東京で開催された国際肺癌学会で制定されました。禁煙の先進国アメリカ合衆国では毎年11月第3週が「たばこ警告週間」となっていることから、毎年この時期には各地で禁煙啓発や検診キャンペーンが実施されています。日本でも11月17日は、肺がんを取り巻くリスクを社会全体で考えるきっかけとなる、重要な啓発日とされています。



アスベスト特有の肺疾患の治療方法はいまだに確立されていない


肺の病気は、早期の段階では自覚症状がほとんど現れないため、発見が遅れがちになります。日本では毎年7万人を超える方が肺がんで命を落としており、その多くは診断時にはすでに、進行がんであるともいわれています。また、アスベスト特有の中皮腫などの肺疾患の場合は、いまだ有効な治療法が確立されておらず、とても恐ろしい病気です。


アスベスト作業従事者も、半年に1回のアスベスト健康診断を受けています。とくに40歳以上の方は、年に1回の肺がん検診を受けることが推奨されています。



喫煙は最大のリスク要因


肺がんの主な原因の一つが喫煙であることは広く知られています。長年の喫煙歴を持つ方は、非喫煙者と比べて肺がんのリスクが2.8〜4.4倍にもなるとされており、禁煙の推進は肺がん撲滅に向けた大きな課題です。


さらに注意が必要なのが、アスベスト ばく露と喫煙が重なる場合です。この両方にさらされた場合、肺がんの発症リスクは相加〜相乗的に跳ね上がることが明らかになっています。


たとえば、「喫煙しない人の肺がんリスクを1」とした場合、


・アスベストばく露のみ:約5倍

・喫煙のみ:約10倍

・喫煙かつアスベストばく露:約50倍


以上の結果になるという報告もあり、アスベスト作業と喫煙の複合リスクが指摘されています。そのため、将来の肺がんリスクを少しでも下げるには、アスベスト調査や対策工事はもちろんのこと、禁煙も極めて重要となります。また、受動喫煙もリスク要因であるため、周囲の環境整備も大切です。本記事をきっかけに、習慣も振りかえってみてはいかがでしょうか。



まとめ


肺がんは、早期発見ができれば助かる可能性が高まるがんです。禁煙や定期検診といった行動は、ご自身の命だけでなく大切な人の生活を守ることにもつながります。


肺疾患は自覚しにくく、進行すると非常に苦しい病気と言われています。特にアスベストに起因する肺疾患は、現時点では治癒が難しいため、予防が何よりも重要です。気づきにくいし、辛い病気。だからこそ、自分自身と職場の仲間を守る意識が求められます。


本記事や「肺がん撲滅デー」をきっかけに、生活習慣や職場環境、そして健康について改めて見直し、アスベストがただのホコリではないことを忘れず、適切な曝露対策をしたアスベスト調査や工事そして管理を徹底していきましょう。


EFAラボラトリーズでは、アスベスト分析を通じて、引き続き関わる方の健康と安全を支えるパートナーとして、正確かつ迅速な対応を心がけてまいります。ご相談やご依頼などございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。


TEL:03-3263-6055



参考文献:


国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」


独立行政法人 環境再生保全機構


東京都保健医療局


日本医師会ホームページ

bottom of page