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小沢さん

分析サービスの強みやこだわり、EFAのアナリストとして働くことの厳しさとは

今回の社員インタビューは分析部マネージャーの小沢さんです。
株式会社EFAラボラトリーズ(以下、EFA)のラボの室長として、何を目指しているのか?分析サービスの強みやこだわり、EFAのアナリストとして働くことの厳しさなど、ラボに関するいろんな話を深掘りしてみました!

小沢さん

小沢絢子さん
京都大学大学院/理学研究科/地球惑星科学専攻/博士課程修了
設立準備期間の2006年3月からEFAの業務にたずさわり、分析部のマネージャーを務める。JEMCAのインストラクターとしても活躍し、たくさんの人に偏光顕微鏡の使い方、正しいアスベスト分析の方法を広めています。

(インタビュアー(高野)のコメントを太字にしています)



◼️アスベスト分析業界全体に貢献できるような仕事ができるチームを目指しています。



──今日はEFAのラボについて色々と教えてください。よろしくお願いいたします!


よろしくお願いいたします。



──早速ですが、小沢さんはEFAのラボに入って何年ですか?


EFAができた2006年3月からいるので、もう18年ですね。



──ラボのマネージャーになったのはいつ頃なんでしょうか?


2018年だったかな、と思います。



──その頃のラボメンバーの人数は何人でしたか?


私とあと2人で、全部で3人でした。



──当時のラボの目標は?


当時は人数が少なく誰か休むと業務が滞るという状態だったので、とにかくまずは人数を増やすことを考えていました。2020年頃にはラボメンバーが5人になり、徐々にできることの選択肢が増えてきた感じがありましたね。それからも少しずつ採用を続けて2021年の終わりにつくばラボができ、現在ではEFA全体で10名以上のアナリストが在籍しています。



──人数が充足した現在のラボで、小沢さんは何を目指していますか?


アスベスト分析業界全体に貢献できるような仕事ができるチームになりたいと思っています。様々なラボとつながり、リードしていける存在でありたいです。



──EFAのバリューにある『自力で達成困難な課題を解決するために、人に働きかけ仲間をつくり行動する。』と通ずるものがありますね!


そうですね。EFAのミッションである『次世代のこどもたちを環境問題から守るために、ひとりでも多くの人に正しいサービスを届ける。』を達成するためには、会社の垣根を超えてチームアップすることが必要だと思います。



◼️”結果を受け取ったお客さまの判断材料として役立つか”を意識して分析しています。



──アスベスト分析を前職でもしていたメンバーから「EFAではかなり高いレベルを“当たり前の基準”として実践しているので驚いた」という話を聞きました。EFAでは、どのような意識を持って業務に取り組んでいるのでしょうか?


アスベスト分析の目的は、あるなしの結果を出すことがゴールではありません。分析結果を受け取ったお客さまがどういうアクションを取れるか、アクションの際に判断材料として役立つか、そこをとても大切に考えています。



──アスベスト含有建材の除去をすること、現場でのばく露防止をすること、そこで役立つ形になっていないと意味がないということですね。


はい。分析後のアクションにうまくつながるかどうかを考えると、しっかりと層別に分析がされていて、どこになにが入っているか分かるようにして提供することが大事だとわかりますよね。



──層を見極めることも分析技術のひとつだと思うのですが、どのようにトレーニングするのでしょうか?


トレーニング用の試料があるので、いろいろなパターンのものを見て「こういう場合はここに着目して見分ける」といったポイントを伝えていきます。はじめは単層や2層などのいわゆる簡単な試料から始まり、だんだん多層になっていきます。



──トレーニング中は層の数を間違えることもありますか?


ありますよ。そういうときこそしっかりフィードバックして理解を深めてもらっています。そのためのトレーニングです。



──先日つくばラボで行われた分析体験(ブログ参照)では、21層の『アスファルト防水』が『地獄の建材』として紹介されました(笑)トレーニングでは、やはり終盤で出てくる建材なんでしょうか?


はい。トレーニングの一番最後の試料は『多層の仕上塗材』なのですが、そのひとつ前なので本当に最後の方ですね。



──『多層の仕上塗材』はどんなところが難しいんですか?


薄い層があるので見落としやすく、場所によって層の厚さが異なるため、見る面によって層の数が変わってくるところです。この部分を見ると3層なのに、ちょっと回して別の部分を見ると4層ある・・・なんてことが起こるんですよ。



──見る面によって層の数が変わる・・!それは難しそうです。


素材と素材の違いはハッキリしていることが多いので、しっかり色んな面から見ることを意識することで、層の見落としを防ぐことができます。層の数が多く単純作業で分析に時間のかかる『アスファルト防水』の方が、分析するときの大変さは上かもしれないです(笑)


アスファルト防水の断面


多層の仕上塗材の断面


──EFAではすべての試料のクロス分析をおこなっていますが、こちらもEFAの分析精度の高さを維持するうえでのこだわりですよね。


そうですね。はじめの頃は一次分析者が作成したプレパラートを別の人が確認するだけでした。ただ、特に不検出の場合は、プレパラートを作成する段階で見落としてる原因が発生している可能性があるかもしれないので、プレパラート自体を作り直して確認するという今のチェック体制が出来上がりました。



──実際にクロス分析で不検出から検出になったことはありますか?


あります。確率でいうとEFAでは1%ぐらいで、人が目で見る作業なのでこの数字をゼロにするのは不可能という前提でクロス分析をしています。当たり前ですが、該当事例があれば放置せずに必ずその都度、アナリスト同士で状況と原因を追求して再発防止をしています。限りなくゼロに近づけるよう日々研鑽を重ねています。



◼️ここ数年で大きく進化したトレーニング!簡単な建材から順番に教えるプログラムを組みました。



──EFAでは現在、入社後のトレーニングを8ヶ月〜1年かけています。今のトレーニングになるまでにはどのような経緯がありましたか?


私がアスベスト分析を始めた時は、分析依頼される建材が吹付け材などに限定されていました。単純なものしかなかったので、トレーニングも2〜3ヶ月くらいだったと思います。だんだんと外壁の塗材などの分析をするようになって、建材ごとのやり方を考えないといけないということで、分析の仕方を試行錯誤してきました。



──そもそも層別分析や偏光顕微鏡分析を日本ではやっていなかったときですね。


そうですね。アメリカでも日本のように塗材が何層も重なってるものは、サンプルとしてそんなにないみたいです。アメリカの研修で受けたのは、石膏ボードにパテ、そして塗料というようなものが多かったです。



──たしかに、日本の建物とアメリカの建物では特徴も違いますよね。


当時は新しいサンプルがきたら、2,3人のアナリストたちで「どうやったらいいんだろう」と相談しながら分析方法を試行錯誤していました。それを繰り返していくうちに建材ごとのやりかたが少しずつ蓄積されて、その集合知を新しい人に教えていきました。



──ここ数年でトレーニングが整備されたという話も聞きました。


私がマネージャーになった2018年頃は実務用のサンプルの一部で練習をしていましたが、それだと依頼の多い建材はたくさん分析してるけど依頼が少ない建材は触ったことがない、というような建材ごとの経験の格差が生まれてしまいます。なのでトレーニング用のサンプルセットのアーカイブを準備し、覚えやすいように簡単な建材から順番に教えるプログラムを組んで、現在のトレーニング内容を作成しました。分析手順や業務システムの使用方法などもマニュアル化されたので、ここ数年でトレーニング内容は大きく変わりましたね。



◼️EFAラボの強みは、ルーチンワークじゃないことでも考えながら取り組めるところ。



──小沢さんが考えるEFAラボの強みはなんだと思いますか?


アスベスト分析では結果についてお客さんから質問がきたら、各アナリストが納得できる説明をすることができるという所です。「どういう理由でこのような結果になっているのか」と聞かれたときに、「こういう根拠でこういうふうに判断しています」と自分でしっかり説明がつくように、考えながら分析をすることを大事にしています。



──あるなし結果を提供するだけではなく、アスベスト分析前後のお客様のアクションを意識して、自分で理解して考えているからこそ出来ることですね。


他にも、EFAラボの強みはありますか?


先程の話と少し被る部分がありますが、ルーチンワークじゃないことでも考えながら取り組めるところです。「JIS1分析のこの規格のこの方法だったら出来ます」じゃなくて、そこから少しはみ出る部分があっても「こう工夫をすれば、このような方法でお客様の目的が達成できるかもしれない」という提案ができる柔軟さがあるんです。



──『自分で考える力』ですね!


分析業務だけでなく、コンサルティング的な業務ができるということでもありますね。お客さんが困っているんだけど、何法でどう分析をしたらいいかもよくわからない・・そんなときにはヒアリングをおこなって、課題特定をして解決策を提案することができる。こういう背景から、土壌試料や工業製品の原材料原材料分析などのサービスもおこなうようになりました。



◼️EFAアナリストは、『自分で考えて根拠を明らかにし納得のいく説明ができること』が求められます。



──EFAのアナリストとして働くことの厳しさはありますか?


さっき言ったことと重なりますが、アスベスト分析結果を出すだけではなく説明できなければならない、というところでしょうか。



──ただアスベスト分析ができるだけじゃだめだぞ、という・・


そうですね。言われたとおりの手順でやってこうだからこうです、というだけではなく、根拠まで考えて明らかにする、そして納得のできる説明が出来るというところまで求められます。



──小沢さんは社内・社外を問わず多くの方にアスベスト分析を教える機会があると思いますが、外部の方とEFAアナリストで違いを感じることはありますか?


社外の分析機関にも色んな方がいらっしゃいますので、一概に言える話はないのですが・・。社外の講習の際には「言われた通りにこの動作をしたから大丈夫ですよね」という聞き方をされることがあるのですが、これはEFAのアナリストには聞かれたことがない質問です。



──つくばラボでの分析体験では、アナリストの吉木さんが「1つのプレパラートだけでは、本当にないとは言い切れない。検体の特徴や層の数などを鑑みて、複数のプレパラートを作って自分で納得できるまで分析している」と話していました。


アスベスト分析では杓子定規に決まったことだけを行うのではなく、内容をしっかりと理解し自分で考えて分析しているかが大切です。EFAアナリストにはそれが浸透しているんですね。



──分析体験ではアナリストメンバーのみなさんが講師役となり、プレパラート作成方法やアスベストの見分け方を説明してくれました。体験者から様々な質問がありましたが、それぞれのアナリストが自分の考えや根拠を示しながら、しっかりと答えていました。



アスベスト分析の工程を説明するアナリストの朝倉さん(写真上)


体験者の質問に回答する東谷さん(写真右)


──『自分で考える力』は、もともと持ってるものなのか、後から身につくものなのか・・どちらなんでしょうか?


アスベスト分析を始めたばかりのときは、根拠を明らかにするとか、納得の出来る説明ができるとか、そこまで発想がいかないと思います。なのでトレーニング時に、『なんでそういうふうに判断しましたか』『どういうふうに考えてそうしてますか』と繰り返し聞くようにしています。繰り返し聞かれて考えることで、『どうしてそう判断したのか』と自分でも考えるクセがついて、だんだんと説明がちゃんとつくように分析をするという方向に意識が向くようになっていくのかなと思います。



──ほとんどの人がアスベスト分析未経験だから、『言われたとおりの手順でアスベスト分析ができる』というのは、『自分で考えて根拠を明らかにし納得のいく説明ができる』までの過程にはありますよね。


そうですね。


──『言われたとおりの手順でアスベスト分析ができる』から『自分で考えて根拠を明らかにし納得のいく説明ができる』までには、どれくらいの期間がかかるでしょうか。


トレーニングでひととおりの分析をしてアナリストになれるまでが1年くらい、そこからレビュアーになるまでの1年くらいの間に、だんだんと自分で考える力が身についていく感じかなと思います。



──以前金子さん(取締役COO、営業部兼管理部マネージャー)と、「アナリストとして目指すのは、レビュアーになることではない」という話をしたことがあります。アナリストとして成長していく過程で、レビュアーは通過点という考えは小沢さんも同じでしょうか?


はい。レビュアーになるというのは免許を取るみたいなものの気がします。レビュアーになってはじめて定性分析の全工程ができるようになるので、そこから経験を積んでいってもっと考えて、さらによいアナリストになるための入口にたったという感じですかね。


──なるほど。レビュアーになることを1つの目標として目指していくということはあるとは思いますが、ゴールではない。むしろスタート地点なんですね。



◼️『探求したい』『ちゃんと理解したい』という気持ちが強い人は、アナリストとして伸びていく。



──EFAのアナリストに向いてる人、向いてない人はどんな人ですか?


まず向いてない人ですが、ずっと座ってるのが苦痛な人はまず難しいですね・・。

あとは、『自分で責任を取りたくない』『私はいわれたとおりにやったんです』という思考の人は、EFAのアナリストとしては難しいと思います。



──先程の『自分で考えて根拠を明らかにし納得のいく説明ができることが求められる』という話とも繋がりますね。


そうですね。なのでEFAのアナリスト向いてる人は、『自分で探求したい』『自分でここをちゃんと理解しておきたい』という気持ちの強い人。聞かれる聞かれないは別として、いつ聞かれても大丈夫なように理解しておきたいって気持ちがある人は、伸びていく感じがします。



──他にもなにかありますか?


いろんなレベルでの『向いてる』があると思うんですが、割とベーシックなところでは、手を動かして細かい作業をするのが苦にならない・・むしろ好き、というのがあると思います。



──プレパラートを作成する作業など、細かい作業がつきものですよね。EFAアナリストにも、プラモデルを作るのが好きだったり、アナログ漫画を描いていた経験があったり、楽器の演奏をしていたり・・・手先を使った作業が得意なメンバーが多いかもしれません。


あとは、パズルが好き、推理するのが好き、な人は、アナリストに向いているのかもしれないですね。



──というと・・・?


検体はキレイな形でくるときもあれば、バラバラになってくることもあるので、頭の中での復元作業というんでしょうか・・顕微鏡を見ながら頭の中では「もともとはこういう構成だったかな」と組み立てながら分析をしているんです。なので、そういったことが得意な人は向いていると思います。



──顕微鏡を覗きながら、頭の中ではそういうことを考えているんですね!


はい。バラバラきた検体はかけらが何種類も入っていて、すぐに順番がわからないこともあるんです。そういうときに頭の中での復元が上手だと、「こことこの間にこういうのが入ってる可能性があるぞ」と想像して間の層を見つけられたり、「仕上塗材の種類でこういうのがあるから、その一部を見てるかも」と思い出しながらはめ込んで、再構成することができるんです。



──それでパズルが好き、推理するのが好きな人が向いてるかもしれない、というわけですね。



◼️EFAラボでの新しい取り組みは、『アスベスト熱影響の研究』と『基礎トレーニング動画の作成』。



──EFAラボで新しく取り組んでいることはありますか?


アスベストやその他鉱物への熱影響に関する研究をしています。『アスベストは熱影響があるとこう変わる』というようなことは、色んな文献に載っているんですが、どれくらいの熱影響でどれくらいの変化があるのかというのを、実際に調べてみるというのをやり始めました。


──研究の目的はなんですか?


例えば、前処理のために燃やした検体にアスベストが入ってた場合にどう見えるか、というようなことがもう少しわかるかもしれない。あるいは、紛らわしいものとの見分け方がわかりやすくなれば、見落としが減ります。分析精度がさらに上がり、時間の短縮にも繋がります。



──どのように調べているんでしょうか?


熱の温度や加え方を変えて、アスベストがどうなるかという比較をしています。その結果がある程度蓄積されると、『この種類のアスベストはこの方法でこれくらいの温度で熱すれば見分けやすい状態になる』や『これ以上の温度で熱してしまうと見分けがつかなくなる』といった具体的な識別手順を確立できるようになります。



──他にも新しく取り組んでることはありますか?


トレーニング動画を作っています。アスベスト分析を始めたばかりの人が、ひととおりの作業内容を理解する、という動画です。



──EFAのアナリストでいうと、どの段階ですか?


8ヶ月〜1年のトレーニングがあるという話をしましたが、そのトレーニングに入る前の段階です。道具の使い方やプレパラートの作り方の本当に基礎的なところで、『何もわからない状態でもとりあえずこれを見ればやり始められる』というのを目指して作っています。



──どれくらい完成されてるんですか?


必要な動画はほぼ撮り終わっています。未経験で入ってきたアナリストに教える時間がない、なんて場合に使える動画なので社内でも使えますし、社外の方にも使っていただける内容になっていると思います。今後はこの動画を同業他社の方にも活用していただけるようにして、さらに困ったことがあればEFAに聞いていただけるような、そんな繋がりをつくっていきたいと考えています。


小沢さんへのインタビューはこれで終わりです。最後になにかありますかと聞いたところ

『かなりたくさん話したのでなにもありません!(笑)』と話してくれた小沢さん。長い時間インタビューにご協力いただいたおかげで、EFAラボのよさが伝わる記事を作ることができました!


EFAラボラトリーズでは、「自分で考えて物事に取り組みたい」「責任も持って仕事がしたい」という思いをもつ仲間を探しています。

興味がある方は以下のボタンをクリックして募集要項をご覧ください。

インタビュアー:高野和音
2023年3月にEFAに入社。管理部に所属。
今後の採用活動を担っていくため、各部署の仕事を知るべくインタビューを実施。
EFAへの応募を検討してる皆様と同じ目線で、気になる質問を社員にぶつけてまいります!

インタビュー実施日:2024年12月11日

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