品質保証/品質管理

品質保証/品質管理をご存知ですか?

 分析機関を選ぶとき、皆様は何を手掛かりにして良い分析機関を選びますか?正しい分析結果を出す、信頼できる分析機関に頼みたいものですが、分析の品質というのは利用者の立場からはなかなか分かりにくいものだと思います。分析機関が依頼に応じて行う分析は、正解値が分からない未知試料についてのものであるため、その分析が正しかったのかどうかを知る手段が通常はありません。ではどのように分析の品質を確認できるでしょうか。その方法の一つは、品質管理体制を確認することです。これは後述しますように北米、ヨーロッパでアスベスト分析機関を認定する際にも行われていることです。
分析の質は既知濃度試料などを用いた「品質管理分析」を行うことにより把握することができます。品質管理分析には以下のようにいくつかの種類があります。

・反復分析(1人の分析者が同じ試料を反復して分析する)
・重複分析(2人の分析者が同じ試料を分析する)
・ライブラリ分析(アスベスト含有量が分かっている試料を月1回分析する)
・ラウンドロビン分析(複数の分析機関で同一の試料を分析して結果を比較する)
・技能試験(技能試験を提供する機関から送付される未知試料を分析して評価を受ける)

このような分析から得られた品質管理データを蓄積することにより、各分析者の分析の品質や分析機関全体での分析の品質を監視することができます(表:品質管理データの例。貴田(2013)より引用)。品質管理分析の正解率から、個人や分析機関全体でのエラー率を求め、エラー率が一定の水準を超えるようなことがあれば原因を明らかにして対策を取る、といった取り組みが品質保証/品質管理となるわけです。このような品質管理分析を行わずに分析結果が常に正しいはずだと主張する機関があったとすれば、それは品質保証/品質管理について全く理解していない証拠です。したがって品質を監視し高めるための仕組みを持っていない機関であるといえるでしょう。

 アメリカ、イギリスにおいては、アスベストの分析をするうえでアスベスト分析機関の認定を持っていることが必須となっており、年2回から4回の技能試験への参加が認定を受ける条件の1つとなっています。この技能試験は、結果が一定水準に達していなければアスベスト分析機関としての認定が停止されてしまうという大変厳しいものです。日本ではまだ偏光顕微鏡によるアスベスト分析についてこのような技能試験の仕組みができていませんが、EFAラボラトリーズは2011年に、ISO/IEC 17025の認定プログラムであるアメリカの自主試験所認定プログラム(National Voluntary Laboratory Accreditation Program: NVLAP)の認定を建材のアスベスト分析の分野で取得しました。これまで受けてきた年2回の技能試験では,いずれも正答率100%という評価を得ています。
正しい分析結果を得るためには、自分たちの分析の質を客観的な方法で把握していて、要求すればそのデータを開示してくれる機関を選ぶことが大切です。皆様が分析機関を選ぶ際には、価格・納期のほか品質保証/品質管理への取り組みにも是非注目してよい分析機関を選んでください。

引用文献
貴田 晶子 (2013) アスベスト測定の精度管理.アスベスト対策の強化に向けて 要旨集 89-94,